【爾(なんじ)に出ずる者は爾に反(かえ)る】と読みまして、汝の身から出た事は、汝の身にかえってくる。
善悪、禍福、みな自ら招くものであることを言います。『孟子』梁惠王下。
孟子が言いました、
凶作の年、王の国の人民は溝や谷間に転びあふれて亡くなった者は、数千人に及んでいます。
一方王の倉には穀物があふれ、財政は充分余裕があるのに役人たちは誰も王に報告する者とて
いません。
これは上の者の怠慢のために、下の者が痛め苦しめ離反を招いているということです。
孔子の弟子、曾子は言いました。
戒之、戒之、
之を戒(いまし)めよ、之を戒(いまし)めよ、
戒めよ!戒めよ!
出乎爾者反乎爾者也。
爾(なん)じに出づる者は、爾(なんじ)に反る。
なした行いは、自らに返ってくるものだ。
夫民今而後得反之也、君無尤焉
夫れ民、今にして後、之を反(かえ)すを得たるなり。
人民は、さきの戦で有司たちに報復したのです。
君無尤焉、
君、尤(とが)むる無かれ。
王よ、処罰してはなりません。
王が仁政を行えば、人民は目上の者に親愛の情を持ち、王のために死ぬようにさえなるのです。