これは『論語・顔淵(ガンエン)』の冒頭に出てくる言葉です。
孔子のお弟子さん達の中で特に優れた人達を「孔門十哲:コウモンジッテツ」と呼んでいます。
徳行(トッコウ)第一の顔淵が孔子に「仁」とは何ですかと訊ねた時の答が【己れに克ちて礼に復る】でした。
孔子はお弟子さん達の理解度に合わせて、話をしています。
顔淵篇の【己れに克ちて礼に復る】について、孔子と顔淵の問答は次のようなものでした
顔淵が仁のことを孔子に訊ねました。孔子が言うには
「わがままを押さえて、礼と言う規範に立ち戻るのが仁ですよ」
そして
「一日でもいいから、それができると、世の中の人もこれを見習って、仁に目覚めるだろう」
だから「仁を行うのは自分次第で、人に頼って出来るものではない」。
顔淵は更に訊ねました「どうやったらいいんですか、教えて下さい」
孔子は
「 ① 礼に外れたことは見ない、
② 礼に外れたことは聞かない、
③ 礼に外れたことは言わない、
④ 礼に外れたことはしないことだ 」
と言いました。