文字通りの意味では「忠言は聞きづらい」というのです。
忠言とか忠告は聞きにくいものですが、自分にとっては為になることがあるので、あえて聞く態度をもつことが大事だと言うのが本意です。
【忠言耳に逆らう】の初出は『韓非子』外儲説(ガイチョゼイ)です。
『韓非子』の中では先に【良薬は口に苦(にが)し】の説明がありまして、そのあとに【忠言払於耳:忠言耳に払(さか)らう】として出ています。
一番古いのではないかと思われる、『韓非子』外儲説左上の、【忠言は耳に逆ふ】を下記に記載します。
夫良薬苦於口。
夫(そ)れ良薬は口に苦(にが)し。
そもそも良薬は口に苦い。
而智者勤而飲之。
而(しか)るに智者の勤めて之を飲むは、
それなのに知者はつとめてそれを飲むはが
知其入而已己疾也。
其の入(い)りて己(おのれ)の疾(やま)いを已(や)むるを知ればなり。
それは、体内に入って自分の病気を治すことがわかっているからである。
忠言払於耳。
忠言は耳に払(さか)らふ。
忠言は耳に逆らう。
而明主聴之、
而るに明主のこれを聴くは、
それなのに賢明な君主はそれに耳を傾けるが、
知其可以致功也。
其の功を致すべきを知ればなり。
それは、実際に効果をもたらすことが分かっているからである。