心を同じくして、ともに力を合わせることを表します。
【和衷】の【和】は「やわ・らぐ」、「なご・やか」の意味で、
【衷】は「うち。なか。」、「まごころ」の意味があります。
【和】【衷】あわせて、心をあわせる。心の底からうちとける。と言う意味になります。
【衷】の字の上部は
従来の書き順は「亠」→「口」→「丨」と書きまして総画数は10画でしたが、
現在の書き順は「一」→「口」→「丨」と書きまして総画数は9画とするのが一般的のようです。
出典は『書経:ショキョウ』皐陶謨(コウヨウボ)です。
同寅(ドウイン)協恭(キョウキョウ)して、
同(とも)に寅(つつし)み協(とも)に恭(うやうや)しくして
和衷(ワチュウ)せん哉(かな)
心の底から打ち解けるようにしなければなりません。
天有徳を命ず。
天は有徳者に〔それぞれの位について典・礼に従って
民を治めることを〕命じます。
『書経』は、中国最古の政治史を記した歴史書です。『易経(エキキョウ)』、『詩経(シキョウ)』、『礼記(ライキ)』、『春秋(シュンジュウ)』とともに五経といわれています。堯舜(ギョウシュン)から秦の穆公(ボクコウ)に至る政治史を記載したものです。
『書経』は紀元前のお話ですが、時代を経て明治22年2月11日に発布された、
『大日本帝国憲法発布ノ勅語』に【和衷協同】が登場してました。
・・・子孫なるを回想し、其(そ)の朕(ちん)が意を奉体(ホウタイ)し、
・・・子孫であることを思いめぐらし、余の意志に身を挺(テイ)し、
朕が事を奨順(ショウジュン)し相与(あいとも)に【和衷協同】し、
余の事業をすすめ従い、共に和合し折り合い協力しあって、
益々(ますます)我が帝国の光栄を中外に宣揚(せんよう)し・・・・。
ますます我が帝国の光栄を国の内外に広く知らしめ、・・・・・。
現憲法に【和衷協同】の文字はありませんが、
今、国難のとき『単独採決』、『問責決議』 なんてやってる場合ではないはず。
【和衷協同】の精神、何がしかでもあれば、と思います。