【人閒(ジンカン)到る處(ところ)靑山(セイザン)有り】、この世の中、骨を埋める土地くらい、何処にだってあるさ。人閒:「ジンカン」と読み、世の中、世間のことを言います。閒、處、青はそれぞれ間、処、青の正字体です。『将(まさ)に東遊(トウユウ)せんとして壁(ヘキ)に題す』という月性(ゲッショウ)の七言絶句の結句です。
月性、文化14年9月27日(1817年11月6日)~安政5年5月11日(1858年6月21日))は、
江戸時代末期の尊皇攘夷派の僧で、周防国、妙円寺の住職でした。
男児立志出郷関、
男児(ダンジ)志を立てて郷関(キョウカン)を出(い)ず、
男たるもの、いったん志を立てて故郷を出たからには、
学若無成死不還。
学 若(も)し成る無(な)くんば死すとも還(かえ)らず。
学問、修めぬうちは死んでも、わが故郷に帰るものではない。
埋骨何期墳墓地、
骨を埋(うず)むる何ぞ期(キ)せん墳墓(フンボ)の地、
骨を埋めるのは、なにも先祖の墓がある故郷だけとは限らない、
人間到処有青山。
人間(ジンカン)到る処(ところ)青山(セイザン)有り。
この世の中、骨を埋める土地くらい、何処にだってある。