霜にうたれた紅葉は、二月の春のさかりに咲く花よりも赤く美しい。
晩唐の詩人、杜牧の七言絶句「山行」の結句に見られる言葉です。
二月の花というのは陰暦二月の花で、この頃に咲く桃の花を言うようです。
遠上寒山石径斜
遠く寒山に上れば石径斜めなり
晩秋の山に登る、石の小道がうねうねと、
白雲生処有人家
白雲生ずる処人家有り
白雲立ち込め、人家が見える。
停車坐愛楓林晩
車を停(とど)めて坐(そぞろ)に愛す楓林の晩
車を停めて、晩秋の楓林を楽しむ。
霜葉紅於二月花
霜葉は二月の花より紅なり
霜にうたれた紅葉は、二月の桃花にまさるなり。