本を読むのは秋がふさわしく、詩作も秋が一番。
読書や詩作には、秋の季節が最も適している、と宋の楊万里(ヨウバンリ)が『秋に感ず』という五言古詩で詠った詩句です。5句、6句
10月27日~11月9日(文化の日を中心にした2週間)は読書週間です。
今年の標語は『おかえり、栞の場所で待ってるよ』です。
特に、『読書週間』が始まる10月27日が、「文字・活字文化の日」に制定されています。
平生畏長夏 平生(ヘイゼイ)長夏(チョウカ)を畏れ、
夏の暑さはこりごりだ、
一念願清秋 一念 清秋(セイショウ)を願う
ひたすら爽やかな秋を待つ。
如何遇成秋 如何(いかん)ぞ秋に至るに遇(あ)えば、
何故だ、秋が来たのに、
不喜却成愁 喜ばず却って愁(うれ)いを成すや。
喜べず、愁いを覚える。
書冊秋可読 書冊(ショサツ)秋に読む可(べ)く、
でも、本を読むのは秋、
詩句秋捜句 詩句(シク)秋に捜(さが)す可(べ)し。
詩を作るのも、秋が一番。
永夜宣痛飲 永夜(エイヤ)痛飲(ツウイン)に宜(よろ)しく、
秋の夜長は酒、
曠野宣遠遊 曠野(こうや)遠遊(えんゆう)に宜(よろ)しく。
旅に出るのもまた一興。
江南万山川 江南(コウナン)万山川(バンサンセン)
江南 無数の山川、
一夕入寸眸 一夕(いっせき)寸眸(すんぽう)に入る。
一夜の景色 眸にしっかりと。
請辧双行纏 請(こ)う双行(そうこう)纏(てん)を辧(べん)ぜよ、
さあ出かけよう。旅の脚絆(キャハン)を用意して、
何処無一丘 何(いず)れの処(ところ)にか一丘(いっきゅう)無からん。
住むべき丘、何処かにある。