互いに心に逆らうことのない意気投合した友人を表す言葉です。
【莫逆】は『バク(漢音)ゲキ(漢音)』と読むのが正しいと思うのですが、通常『バク(漢音)ギャク(呉音)』と読んでいます。
『荘子』大宗師(ダイソウシ)篇に【莫逆於心:心に逆らう莫(な)く】の形で、でています。
子祀(シシ)・子輿(シヨ)・子犁(シリ)・子来(シライ)、四人相(あい)与(とも)に語りて曰く、
四人が話し合った
孰(たれ)か能(よ)く無を以て首と為し、生を以て脊(セキ)と為し、死を以て尻(しり)と為す。
無を頭とし、生を背中とし、死を尻と考えられる者がだれかいるだろうか。
孰か死生存亡の一体なるを知る者ぞ。
死と生と、存と亡とが一つのものであると知っている者がだれかいるだろうか。
吾之と友たらん、と。
そんな風に考えられるんだったら、仲良くしようぜ。
四人相視て笑い、心に逆らう莫く、遂に相与に友と為る。
四人は顔を見合わせて笑い、意気投合し、やがて親交を結ぶようになりました。