なにか喜ばしいことがあるからと言って、調子に乗って軽はずみな許しを出してはいけない、という意味です。言い換えますと、喜怒哀楽に、自分がいるときは、大事なことの決定はしない方がよい、ということだろうと思います。『菜根譚』前集214条。
不可乘喜而輕諾。
喜びに乗じて諾を軽くすべからず。
なにか喜ばしいことがあるからと言って、それに乗って軽はずみな許しを出してはいけない。
不可因醉而生嗔。
酔に因(よ)りて嗔(いかり)を生ずべからず。
酒の酔いにまかせてむやみにむやみに怒りを爆発させてはいけない。
不可乘快而多事。
快(カイ)に乗じて事を多くすべからず。
物事が順調にいっているからといって、やたらと仕事を広げてはいけない。
不可因倦而鮮終。
倦(ケン)に因(よ)りて終りを鮮(すく)なくすべからず。
もう飽きたからと言って、最後を好い加減にしてはいけない。