【父母は何にもまして、ただただ子供の病気のみを心配している】というのが文字通りの訳ですが、古来、三つの解釈があります。『論語』為政篇
原文は、
孟武伯問孝。子曰、父母唯其疾之憂。
孟武伯(モウブハク)孝を問う。子曰く、父母は唯其の疾を之憂う。
孟懿子(モウイシ)の長男の孟武伯が孝を尋ねました。
孔子は、【父母は何にもまして、ただただ子供の病気のみを心配している】と
答えました。
魏の何晏(カアン)の解釈。『集解:シッカイ』
父母には唯だ其の疾を之れ憂えしめよ。
父母には、病気で心配をかけるのはやむを得ないこともあるが、病気以外のことでは、
心配かけないようにせよ。
宋の朱熹(シュキ)の解釈。『集注:シッチュウ』
父母は唯其の疾を之憂う。
父母は何といっても子供の病気のことを心配する。健康に注意して父母には心配を
かけないことが何よりの親孝行である。
伊藤仁斎『論語古義:ロンゴコギ』
父母には唯其の疾を之憂えよ。
子たる者、父母の健康のことを第一に心配せよ