差はあるが、本質的には同じであること。似たりよったりであることを言います。
王好戰 、請以戰喩、
「王戦ひを好む。請(こ)ふ戦ひを以つて喩へん。
王は戦争がお好きであるとうかがっております。戦争によって喩えさせてくだい。
塡然鼓之、兵刃既接、
填然(てんぜん)として、之を鼓し、兵刃既に接す。
ドンドンと進軍の陣太鼓がいさましく鳴り響き、敵味方刀で斬りあいが始まったときに
棄甲曳兵而走、
甲を棄て兵を曳きて走ぐ。
二人の者が怖気づいてヨロイも武器も捨てて背走したとします
或百歩而後止、或五十歩而後止、
或(ある)いは百歩にして後に止まり、或いは五十歩にして後に止まる。
一人は五十歩走って止まりました。もう一人は百歩走って止まりました。
以五十歩笑百歩、則何如、
五十歩を以て百歩を笑はば、則ち何如。」と。
五十歩で止まった者が百歩で止まった者を笑ったとしたら、どうでしょう
曰、不可、直不百歩耳、是亦走也
不可なり。直だ百歩ならざるのみ。是れも亦走るなり。」と。
それはいかん。百歩走らなかっただけで、背走したのは同じなのですからな。