【必ずしも福(フク)を干(もと)めず】。『言志耋録(テツロク)』154条
人は誰でも、殊更(ことさら)に幸福を求めたがるが、その必要はない。
禍(わざわい)さえ無ければ幸福である。
同じように、栄誉,長寿、富貴も、殊更に求める必要はない。と佐藤一茶先生は仰ってます。
不必干福、以無禍為福。
必ずしも福(フク)を干(もと)めず。禍(カ)無きを以って福と為す。
殊更に幸福を求める必要はない、禍(わざわい)さえ無ければ幸福である。
不必希栄、以無辱為栄。
必ずしも栄(エイ)を希(ねが)わず。辱(ジョク)無きを以って栄と為す。
必ずしも栄誉を希う必要はない、恥をかかなければ、それが栄誉なのだ。
不必祈寿、以不夭以寿。
必ずしも壽(ジュ))を祈(いの)らず。夭(ヨウ)せざるを以って壽と為す。
必ずしも長生きを祈らなくてもよい、若死にさえしなければ、それが長生きなのだ。
不必求富、以不餒為富。
必ずしも富(とみ)を求めず。餒(うえ)ざるを以って富と為す。
必ずしも金持ちにならなくてよい、餓えさえなければ、それが富があることだ。