人間が、現実の社会で生きていくときには、必ずしも功名を期待してはいけない。
というのは、大きな過ちがなく過ごすことができれば、それがそのまま、とりもなおさず功名である。
出典は『菜根譚』前集28条です。
処世不必邀功、
世に処(お)りては、必(かなら)ずしも功(コウ)を邀(もと)めざれ。
世渡りは、必ずしも功名を期待してはいけない。
無過便是功。
過(あやま)ちなきは便(すなわ)ち是れ功なり。
大きな過ちがなく過ごすことができれば、
それがそのままとりもなおさず功名である。
与人不求感徳、
人に与えては徳に感ずることを求めざれ。
他人に対して恩恵を施す時には、その恩恵に感謝されることを求めてはいけない。
無怨便是徳。
怨(うら)みなきは便(すなわ)ち是れ徳なり。
他人に怨まれるようなことをしなかったならば、それがそのまま恩恵である。