その任務は重く、進む道は険しく遠い、ということですが、この言葉は、『論語』のキーワードとなっている「仁」の体得とその実践を、終生自分の任務としなければならない、という意味です。『論語』泰伯篇
徳川家康の遺訓
『人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し』は、【任重くして道遠し】から、と言われています。
家康も論語を学んでいたようです。朱子学で。
曾子曰、
曽子日く、
曽子が言いました、
士不可以不弘毅。
士は以て弘毅(コウキ)ならざるべからず。
士たる者は、広い包容力と強い意志を持たなくてはならない。
任重而道遠。
任重くして道遠し。
(なんとなれば)その任務は重く、進む道は険しく遠いからだ。
仁以爲己任、
仁以て己(おのれ)が任と為す、
(最高至上の德である)仁の体得とその実践を自分の任務としなければならない、
不亦重乎。
亦重からずや。
何と重いことではないか。
死而後已、
死して後(のち)己(や)む。
しかもこの重責は死ぬまで続く。
不亦遠乎。
亦(また)遠からずや。
何と遠いことではないか。