佐藤一斎先生『言志耋録』311条に、養老の為には醴酒(レイシュ:甘酒)若(も)しくは濁醪(ダクロウ:どぶろく)がよく、醇酒(ジュンシュ:純米酒)は強すぎて、老人には適さない、と書かれています。
決して「酒は飲むな」とは言っていません。
『論語』もそうです。
「酒は量なし、乱に及ばず」、酒はいくら飲んでも良いが、呑み過ぎて、人に迷惑をかけちゃいけないぞ、と孔子が言っています。
養老用酒。
老を養うに酒を用うるは、
老人を養うために酒を用いるには、
以醴酒若濁醪爲佳。
醴酒(レイシュ)若(も)しくは濁醪(ダクロウ)を以て佳(カ)と為す。
甘酒かどぶろくがよかろう。
醇酒過烈
醇酒(ジュンシュ)は烈に過ぎて
上酒は強すぎて
非老躯宜
老躯の宜しきに非ず。
老体には適さない。