あれやこれやの心配事で、白髪もこんなに長くなってしまった。
李白の晩年、江南の秋浦(シユウホ)の地で、自分の心に実感した老いの驚きを詠じた『秋浦歌』の起句です。
白髪三千丈
白髪(ハクハツ)三千丈(サンゼンジョウ)
三千丈にもならん、我が白髪
縁愁似箇長
愁(うれ)ひに縁(よ)りて箇(か)くのごとく長し
あれやこれやの心配事で、長くなったり我が白髪
不知明鏡裏
知らず明鏡(メイキョウ)の裏(うち)
なんとまあ、鏡に映る我が白髪
何處得秋霜
何(いづ)れの處(ところ)にか秋霜(シュウソウ)を得たる
どこから来たのか、霜とも見える我が白髪。