【青虫が羽化して紋白蝶になる】という意味です。
七十二候の一つで、3月16日~3月20日に相当する季節を言います。
二十四節気の啓蟄(3月6日~3月20日)の最後の5日間です。
【菜虫】は、大根や蕪(かぶ)などのアブラナ科の野菜を食べる昆虫の総称です。
特にモンシロチョウの幼虫、青虫を言います。
蝶のことを「夢虫」や「夢見鳥」と言うことがあります。
『荘子』の齊物論篇の『胡蝶の夢』に由来します。
昔者(むかし)、荘周(ソウシュウ)、夢(ゆめ)に胡蝶(コチョウ)と為る。
むかし、荘周は自分が胡蝶になった夢を見た。
栩栩然(ククゼン)として胡蝶なり。
喜々として胡蝶になりきっていた。
自(みずか)ら喩(たの)しみて志(こころ)に適(かな)うか。
自分でも楽しくて心ゆくばかりにひらひらと舞っていた。
周なることを知らざるなり。
荘周であることは全く念頭になかった。
俄然(ガゼン)として覚(さ)むれば、則(すなわ)ち蘧蘧然(キョキョゼン)として周なり。
ふと目が覚めると、まぎれもなく荘周である。
知らず、周の夢に胡蝶と為(な)るか、
荘周である私が夢の中で胡蝶となったのか、
胡蝶の夢に周と為(な)れるか。
それとも(自分は実は胡蝶であって)蝶が荘周になった夢を見ているのだろうか。
周と胡蝶とは、則ち必ず分(ブン・けじめ)有らん。
荘周と蝶とは、きっと区別があるだろう。
此れを之れ物化(ブッカ)と謂(い)う。
こうした移行を万物の変化と名付けるのだ