【君子は徳を懐(おも)う】と訓読されまして、教養ある立派な大人は、徳を備えて人間らしく生きようと思う。
『論語』里仁篇にみえる言葉です。
加地伸行先生の『論語のこころ』によりますと、君子は教養人、小人は知識人と仰っています。
教養人は、生涯を通じて知性と徳性とをともに磨こうとする人。
知識人は、知的訓練を以て世の最高と勘違いしている人。特に大學卒業生など高學歴者に多い。
子曰、
子曰く、
孔子が言いました、
君子懷徳、
君子、徳を懐えば、
教養人は善く生きようと願うが、
小人懷土。
小人は土を懐う、
知識人は(地位や豊かな生活の)安泰を願う。
君子懷刑。
君子、刑を懐えば、
教養人は責任を取る覚悟をするが、
小人懷惠。
小人は恵を懐う。
知識人は(お目こぼしで)なんとか逃れたいと思う。