すぐれた能力を持つ人は、そのはかりごとで普通の人が思いもよらない行動をとるものだということを表す四字熟語です。
【英雄(エイユウ)人(ひと)を欺(あざむ)く】と訓読みされます。
【英雄欺人】は、明の李攀竜(リハンリョウ:1514年~1570年)が編纂したといわれる唐代の、特に盛唐の詩を集めた『唐詩選』の序文に出ています。出版されのは、李攀竜の死後、16世紀末から17世紀初頭とされています。
その序文の一部です。
七言古詩は、惟(ただ)子美(シビ:杜甫の字)のみ初唐の氣格を失はず。而(しこう)して
縦横(ジュウオウ)之(これ)有り
七言古詩では杜甫だけが初唐の風格を保っている。風格を守ろうとすれば、
縦横自在さが乏しくなるが、杜甫はさすがにその辺は心得ている。
太伯(タイハク)縦横、往往強弩(キョウド)の末、間々(まま)長語を雜(まじ)ふ。
李白の七言古詩は、縦横自在ではあるけれども、往々にして初めの勢いがくじけ、
時には冗長の語が混じることがある。
【英雄、人を欺(あざむ)くのみ】
これはすぐれた人が、普通の人の目をくらましているに過ぎない。
『唐詩選』は盛唐の詩人である杜甫・李白・王維などの詩が多く採用され、中・晩唐の詩は軽視されています。韓愈(カンユ)が1首、杜牧や白居易にいたっては採録されていないなど、その詩の選び方は偏っています。
それがあってかあらぬか、『唐詩選』偽作説が今でも有力だそうです。
ロンドンオリンピック「女子サッカー」 1次リーグ F組 2位通過で、新聞の見出しは
『なでしこ控えめドロー 主力温存で2位通過』
金メダルを取るためには、世人(せじん)の預かり知らぬ、名監督の深い読みがあるのです。・・・ね。