これほどの人に、こうした病気があるとは・・・・。素晴らしい成果をあげている人が悪質の病気にかかり、運命のいたずらとしか思えないほどの、この上ない悲しみを表す言葉です。
孔子の門人の冉伯牛(ゼンハクギュウ)が病気になり、孔子が見舞いに行った時のことが、
『論語』雍也篇に記載されています。
伯牛有疾。
伯牛(ハクギュウ)、疾(やまい)有り。
門人の冉伯牛が病気になりました。
子問之、
子、これを問ふ、
孔子はこれを見舞い、
自牖執其手、曰、
牖(まど)より其の手を執りて、曰く、
窓越しにその手を取られた。
亡之、命矣夫。
これ亡(な)からん、命(メイ)なるかな。
こういう道理はあるまいに。ああ、これも天命かなあ。
斯人也而有斯疾也、
斯(こ)の人にして斯の疾(やまひ)有るや、
こう言いう立派な人にして、このような病気にかかろうとは、
斯人也而有斯疾也。
斯(こ)の人にして斯の疾(やまひ)有るやと。
こう言いう立派な人にして、このような病気にかかろうとは。
(繰り返して、愛弟子を慰めた)