百戦百勝するということは最高にすぐれたものではない。戦わずして勝つことが最上の戦術である。
戦争とは国家の大事であり。国民の死活問題であり、国の存亡の分かれ道であるから、
戦争は絶対にしてはならない。するならば絶対に勝たねばならない。そのためにはどんな手段をつかってもよい。『孫子の兵法』です。
孫子曰く、およそ用兵の法は、
孫子は言う。用兵の原則は、
国を全うするを上と為し、国を破るはこれに次ぐ。
敵国を傷つけずに、そのままで降伏させることが上策で、
敵国を打ち破って降伏させるのは次善の策である。
軍を全うするを上となし、軍を破るはこれに次ぐ。
軍団を傷つけずに、そのままで降伏させることが上策で、
軍団を打ち破って降伏させるのは次善の策である。
旅を全うするを上となし、旅を破るはこれに次ぐ。
旅団を傷つけずに、そのままで降伏させることが上策で、
旅団を打ち破って降伏させるのは次善の策である。
卒を全うするを上となし、卒を破るはこれに次ぐ。
大隊を傷つけずに、そのままで降伏させることが上策で、
大隊を打ち破って降伏させるのは次善の策である。
伍を全うするを上となし、伍を破るはこれに次ぐ。
小隊を傷つけずに、そのままで降伏させることが上策で、
小隊を打ち破って降伏させるのは次善の策である。
是故百戰百勝、非善之善者也、不戰而屈人之兵、善之善者也、
このゆえに百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。
だから、百回戦って百回勝つのが最善ではない。
不戰而屈人之兵、善之善者也、
戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。
戦わずして勝つのが最善である。