【愛されることが幸福ではなく、愛することが幸福である】のヘルマン・ヘッセの解説を再掲させて頂きます。
ヘルマン・ヘッセ(1877年7月2日~1962年8月9日)は、20世紀前半のドイツ文学を代表する作家です。ヘッセの絵を添えた詩文集は、今でも人気があるそうです。
1877年、ドイツ南部バーデン=ヴュルテンベルク州のカルフに生まれました。7歳の頃、宣教師である父のつてで新島襄に会ったそうです。神学校に入学して半年で脱走。自殺未遂。神経科病院に入院。本屋の見習い店員となるが3日で脱走。などなど様々な体験をします。このころの経験が『車輪の下』原体験となっていると言われているようです。
第一次大戦の影響などもあってか、ヘッセは深い精神的危機を経験します。カール・グスタフ・ユングの弟子たちの助けを借りながら精神の回復を遂げるなかで、ヘッセの深い精神世界を描いた作品が『デミアン』です。その後の作品には、現代文明への強烈な批判と洞察および精神的な問題点が多く描かれており、ヘッセをドイツ文学を代表する作家に押し上げました。
祖国ドイツにヒトラー政権が誕生すると平和主義を唱えていたヘッセはスイスで執筆活動を行います。当時ヘッセの作品はナチス政権から『時代に好ましくない。』とされていたそうです。
第二次世界大戦終結後の1946年ノーベル文学賞とゲーテ賞を受賞しました。翌年の1947年、生まれ故郷のカルフ市の名誉市民となり、同年アンドレ・ジイドの訪問を受けました。1962年、43年間を過ごしたモンタニョーラの自宅で85歳の生涯を終えました。