世界中の人々は皆、自分と同じ人類で、兄弟のように仲良くなれると、いう意味を表す四字熟語です。「兄弟」を「ケイテイ」と読むのは漢音読みです。
【四海】は、【四方の海】ということで、「世界」のことを言います。
『論語・顔淵』が初出のようです。
『今日の四字熟語』・【No.26 四海兄弟】で概略の説明をしてますので、そちらも一瞥(イチベツ:チラ見)して下さい。
『論語』の中での【四海兄弟】は孔子のお弟子さんの司馬牛(シバギュウ)が私には兄弟がいないと嘆いたのを、同じくお弟子さんの子夏(シカ)が【四海の内、皆兄弟為(た)り】といって慰めました、と言う話になっていますが、これには条件がありまして、
君子は敬して失なく、人と恭々(うやうや)しくして礼あらば。
君子は慎んで落度無く、人と交わるのに丁寧にして礼を守ってゆけば、
【四海の内、皆兄弟為り】と言ってます。
『論語』の【四海兄弟】から数百年あと、前漢の蘇武(ソブ:?~B.C.60)が五言の詩を作り、その中に【四海兄弟】が入っています。こちらは無条件に世界中のすべての人が皆兄弟であると詠っています。
18句のうち6句を示します。
骨肉枝葉に縁り 骨肉は枝葉と同じ
交はりを結ぶも亦た相因(よ)る 交わる友は頼りあい
四海 皆兄弟たり (古人も)四海の内は皆 兄弟という
誰をか行路の人と為さん 路傍の人にあらざるなり
況(いは)んや我が連枝の樹 ましてや 君とは 枝を連ねた樹
子と一身を同じうするをや 君とは、肉親のようである
オリンピックが始まりました。
第4回ロンドンオリンピック(1908)では、アメリカとイギリスが対立し、両国民の感情のもつれは悪化していました。 その時に行われた教会のミサで、
「オリンピックで重要なことは、勝利することより、むしろ参加することであろう」というメッセージが語られたそうです。
このメッセージを、当時のIOC会長のクーベルタンがとりあげ、次のように述べました。
「勝つことではなく、参加することに意義があるとは、至言である。
人生において重要なことは、成功することではなく、努力することである。
根本的なことは、征服したかどうかにあるのではなく、よく戦ったかどうかにある。」
と述べました。