【天罰】は現在の解釈は、文字通り天の下す罰であり、悪いことをするとその報いがありますと言う
意味で、戒めに使われています。
【覿面】の【覿】は「賣(音符号)+見」の形声文字で みる、あう の意味があります。
【面】が加わって、まのあたり、また、まのあたりに見る、という意味になります。
【天罰覿面】は悪いことをすると覿面(目の当たりに、すぐ)に、天が罰を与えます。
バチ(罰)があたりますという意味を表す四字熟語です。
堯(ギョウ)・舜(シュン)から秦の穆公(ボクコウ:B.C.659~B.C.621)までの政治史や教戒(キョウカイ:教えいましめること)を記録した中国最古の経典(ケイテン)である書経(ショキョウ)には【天罰】という言葉がいくつか出てきます。
1) 我、乃(すなは)ち明らかに【天罰】を致して、爾(なんじ)を遐逖(カテキ)に移し ・・・。
私がハッキリと天(が殷に与えた)罰を実行して、なんじらを遠い所に移し ・・・ 。
2) 今、予(われ)爾(なんじ)有衆(ユウシュウ)を以(ゐ)て、【天罰】を奉将(ホウショウ)す。
今、私はなんじ有衆たちを率いて、天罰を奉じ行う。
3) 予(われ)一人を奉じて、恭みて【天罰】を行はんことを。
わたし一人を奉じて、敬(つつし)んで天の罰を行って貰いたい。
古代中国は、徳のある者が天の命ずるところにより為政者となって、国を治めると考えられていました。そうして為政者が徳を失うと天はこれを罰して災害をもたらします。天の命が革(あらた)まり、すなわち王朝が交代するのです。 これを革命といいます。
書経における【天罰】は、この天子が、天に代わって、罰を与えると言う形になってます。