元気がなくなること。がっかりすること。
【意気】は、① きだて。② 意志と勇気。③ 意気込み、の意味があります。
【消沈】は、① おとろえる。② 活気がなくなる、の意味があります。
【消沈】は「銷沈」とも書きます。
夏目漱石『吾輩は猫である』八章
「そいつは妙案ですな。利目(ききめ)がございましたか」
「これにゃあ、奴も大分だいぶ困ったようだ。もう遠からず落城するに極きまっている」
「そりゃ結構です。いくら威張っても多勢(タゼイ)に無勢(ブゼイ)ですからな」
「そうさ、一人じゃあ仕方がねえ。それで大分(ダイブ)弱ったようだが、まあどんな様子か
君に行って見て来てもらおうと云うのさ」
「はあ、そうですか。なに訳はありません。すぐ行って見ましょう。様子(ヨウス)は帰りがけに
御報知を致す事にして。面白いでしょう、あの頑固(ガンコ)なのが【意気銷沈】しているところは、
きっと見物みものですよ」
「ああ、それじゃ帰りに御寄り、待っているから」
「それでは御免蒙(ごめんこうむ)ります」