【老人は気ぜわしい】という意味です。佐藤一斎先生の『言志耋録:ゲンシテツロク』第300条にある
言葉です。
『言志耋録』は80歳を過ぎてから書いたものだそうです。
一斉先生は大変長命な方で、88才で天寿を全うされる迄、全くボケなかったそうです。
肖(あやか)りたい。
老人気急。
老人は気急にして
老人は気ぜわしく
事好速成。
事、速成を好み、
何事でも早く片付けることを好み、
不能自重。
自重する能わず。
じっくり考えて事を処理することができない。
不能含蓄。
含蓄する能わず。
腹の中に蓄えておくことができない。
又妄信人言。
又妄みだりに人じん言げんを信じて、
また簡単に人の言うことを信用してしまって、
不能察其虚実。
其の虚実を察する能わず。
それが嘘か本当か見極める事ができない。
可不警乎。
警(いまし)めざる可(べ)けんや。
老人は、よくよく自ら戒(いまし)めなくてはならぬ。