心を一つにして力を合わせるという意味です。
【協】も【戮】も、ともに合わせるという意味を持っています。
安禄山(アンロクザン)・子思明(シシメイ)の乱(A.D.755~A.D.763)のとき三人の節度使、韋陟(イチョク)・高適(コウテキ)・來瑱(ライテン)が相会して同盟決起した時、韋陟の述べた言葉の中に【協心戮力】が出てきます。
また『日本外史』にも使用例があります。
承久(ジョウキュウ)三年、1221年、後鳥羽上皇は北条義時討伐の詔(みことのり)を発しました。
それを知った北条政子は諸將を集めて
「もしも先の将軍頼朝の御恩を忘れないでいるならば、心を一つにして力を合わせ、讒言するやからを殺して取り除き、鎌倉幕府のこれまでの仕事を立派に成し遂げるようにしなさい」
と伝えました。
ここ一番の時には、心を一つにして力を合わせなければいけません。古代の諸將は類義の表現で立ち上がりました。
戮力同心(リクリョクドウシン)は、国語・齊語(齊の桓公。B.C.685年~B.C.643年)に
同心戮力(ドウシンリクリョク)は、『春秋左氏伝』成公13年(B.C.538年)に
戮力壱心(リクリョクイッシン)は、『春秋左氏伝』昭公25年(B.C.517年)に
戮力協心(リクリョクキョウシン)は、墨子・尚賢中 に
それぞれ出ています。