【舊惡(キュウアク)を念(おも)わず】と訓読されまして
たとえ古い悪事があったとしても、これを改めれば決して過去を問わない、という意味です。
なかなか、できることではありませんが、『論語』公冶長篇によりますと、伯夷(ハクイ)・叔齊(シュクセイ)がそうであったとのことです。
だから伯夷・叔齊は、人を怨んだり人から怨まれたりするようなことは、殆どなかったようだと、孔子は言っています。
子曰、伯夷叔齊、
子、日く、伯夷・叔斉は、
孔子が言いました、伯夷と叔斉は(潔癖な人であったが、)
不念舊惡。
旧悪を念わず。
たとえ古い悪事があったとしても、これを改めれば決して過去を問わない。
怨是用希。
怨、是(ここ)を用(もっ)て希(まれ)なり。
人を怨んだり人から怨まれたりするようなことは、殆どなかったようだ。
要職をすべて辞めても、在任中の悪行・善行は消えるわけではない、と思います。