【徳(トク)に悖(もと)り倫(みち)を没(ボッ)す】と訓読されまして、
道徳に外れ、人として守るべき道を失うことを言います。
【悖:ハイ】は、忄(心)+孛(ハイ:音符号) から作られた形声文字です。
意味は、もとる。そむく。です
夏目漱石『吾輩は猫である』十一章に出ています
開化の高潮度に達せる今代(キンダイ)において二個の個性が普通以上に親密の
程度をもって連結され得べき理由のあるべきはずがない。
この覩(み)やすき理由はあるにも関らず無教育の青年男女が一時の劣情に駆られて、
漫(みだり)に合巹(ゴウキン)の式を挙ぐるは【悖徳没倫】のはなはだしき所為(ショイ)である。
吾人は人道のため、文明のため、彼等青年男女の個性保護のため、全力を挙げこの
蛮風に抵抗せざるべからず