【肝脳、地に塗(まみ)る】と訓読されまして、戦場でむごたらしい死に方や、殺され方をすることを表わした四字熟語です。
【肝脳】は、肝臓と脳髄です。
【塗地】は、泥(どろ)塗(まみ)れになることです。
【肝脳塗地】は、(戦場で)、死者の腹から内臓が飛び出し、頭が割られて泥塗れになるなどむごたらしい状況を言います。
『史記』劉敬(リュウケイ)伝に、
紀元前202年、劉敬が国境警備の兵として隴西(ロウセイ)へ行く途中劉邦のいる洛陽を
通ったとき、劉邦に面会を求め、洛陽を都とした 周 と漢との違いを述べ、天然の要害である
秦 の故地 長安 を都にすべきと進言しました。その時の話の中に【肝脳塗地】が出てきました。
大戰七十、小戰四十。
大戦は70回、小戦は40回に及ばれました。
天下の民をして肝腦(かんのう)を地に塗(まみ)れしめ、
このために天下の民を死傷させて、その肝脳を地に塗(まみ)れさせ、
父子の骨を中野に暴(さら)さしむること、勝(あ)げて數うるべからず。
父子ともに骨を野にさらさせたことは、とても数え切れません。
昭和20 (1945)年8月6日午前8時15分、米軍のB29爆撃機「エノラ・ゲイ」が、広島市上空で世界初の原子爆弾「リトルボーイ」を投下しました。
熱線と衝撃波によって市街は壊滅し、約14万人の死者が出ました。その後、原爆症等で亡くなった人を含めると、犠牲者は25万人以上にのぼると言われています。
8月6日、広島市では原爆慰霊祭で世界平和を祈念するアピールが宣言され、燈籠流しが行われます。
核分裂のさい熱エネルギーが放出されます。
核分裂は一旦始まりますと核燃料が尽きるまで止めることはできません。
核分裂を瞬時に起こさせて膨大な熱エネルギーを放出させるのが、原子爆弾、水素爆弾です。
核分裂をゆっくり起こさせるのが、コントロールの利かない平和と称した利用です。
原爆、と原発の両方の被害を受けたのは、地球上で日本だけです。