おごりたかぶって、人を見下し、威張り散らして、礼儀に於外れたことをいう四字熟語です。
【傲】は「人+敖」からできた形声文字です。「敖」が音を表すのですが、この字は
「土(長髪)+方(死者)+攴(打つ)」で構成されていまして、呪いを祓う儀式を
表現する字として作られました。人と結びついて、呪霊をもって人に威圧的に
なるという意味になり、「おごる」ことを表します。
【岸】は、「きし」、「がけ」の意味のほかに「けわしい」、「かどだっている」と言う意味もあります。
ここから「かどかどしい」、「おごる」という意味が派生的にでてきました。
そこで【傲岸】は「おごりたかぶる」の意味になります。
【無礼】は、礼を欠くこと。失礼。
【傲岸】は李白の『王十二の寒夜に独酌して懐(おもう)有るに答う』の詩に出てきます。
この詩には【馬耳東風】の四字熟語も出てきます。『今日の四字熟語』の
【No.192 馬耳東風】にこの詩の解説が少し出ています。長い詩で、7言×50句の構成。
【傲岸】のところだけを示します。
37)一生傲岸、諧(かな)はざるに苦む
一生、傲岸に構えていると、世の人と仲良く出来ない
38)恩は疎に、媒は労して、志多く乖(そむ)く。
恩恵を受ける機会は少なく、中間に入った人は、徒に骨を折るばかりで、
普段の志の多くも、成功せぬものである。