【桐始めて花を結ぶ】と訓読されまして、七十二候の一つです。
立春から数えまして34番目の候です。
桐は五月頃に花をつけて、今はその花が実を結び出す頃というところです
桐の木は成長が早いのが特徴で、実際、樹齢20年くらいで実用になるようです。松で40年、杉で80年。
それもあってか、日本では女の子が生まれると桐を植えて、結婚するときにはその桐で箪笥を作って嫁入り道具にするという風習があるのも宜(むべ)なるかなであります。
桐は、神聖な木とみなされ、菊と共に皇室の紋章に用いられるなど高貴な扱いを受けています。
桐の紋は、天皇家、豊臣秀吉、日本政府で使われています。
花の数によって「五七の桐」と「五三の桐」があります。
皇室の桐は「五七の桐」、明治神宮は「五三の桐」です。
500円硬貨の裏側は桐です。パスポートにも使われています。
学校の名前にも「桐蔭」や「桐朋」「桐光」など桐の名前がつけられています。
まったく関係ない話ですが、私は小学校1年生の時「桐」組でした。
『源氏物語』の第一帖は「桐壺」の巻です。
『桐』の話題は尽きません。
また、今日7月23日から8月6日までを二十四節季の『大暑』と言いまして、1年で一番気温が高く、暑さが厳しくなります。
花火大会が催され、ビアガーデンが大賑わいするのもこの頃です。
夏の土用も『大暑』の中の雑節です。特に今年は「二の丑:8月1日」があります。
【桐始結花】は季節としましては晩夏です。
『大暑』の 初候(7月23日~7月27日)が「桐始結花」で、
次候(7月28日~8月1日)は「土潤溽暑:土潤(うるお)って溽(む)し暑し」と言い、
末候(8月2日~8月6日)は「大雨時行:大雨時々降る」と言います。