善いことを重ねた家は、その報いとしての幸せが子孫にまで及ぶという意味です。
【積善】は、善を積み重ねる。長い期間かけて善行を積み重ねるという意味です。
【餘慶】は、思いがけない慶事が子孫にまで及ぶという意味です。
積善が有ったればこその餘慶という意味合いが含まれています。
『易経』にでている四字熟語です。
積善之家必有餘慶。
積善の家には必ず余慶(ヨケイ)有り。
善いことを重ねた家は、その報いとしての幸せが子孫にまで及ぶ。
積不善之家必有餘殃。
積不善の家には必ず余殃(ヨオウ)有り。
逆に悪いことを重ねた家は、その報いとしての善くないことが子孫にまで及ぶ。
臣弑其君、子弑其父、非一朝一夕之故。
臣にして其の君を弑(シイ)し、子にして其の父を弑(シイ)するは、一朝一夕の故に非ず。
臣下でありながら、その君を殺したり、子供が父親を殺したりするのは、
よくよくのことが有ったのでしょう。
其所由來者漸矣。
其の由りて来たる所の者は漸なり。
それと言うのは、おそらく言うに言われぬ何かが有ったのでしょう
由辯之不早辯也。
之を弁じて早く弁ぜざるに由るなり。
ことの小さいうちに処理してしまわなかったことによるものと思われます。
易曰、履霜堅冰至。蓋言順也。
易に曰く、霜を履みて堅氷至る、と。蓋し順なるを言えるなり。
易経にあるように、小さな悪もそのまま見過ごしておくと、
取り返しのつかないことになってしまうだろう、と。