腸が断ち切れるばかりの、激しい悲しみや苦しみを表す四字熟語です。
同じ意味で、母猿(ボエン)腸を断つと、訓読される四字熟語【母猿断腸:ボエンダンチョウ】もあります。
出典は『世説新語』です。
『世説新語』は南朝宋の劉義慶(リュウギケイ)の著で、後漢から東晋までの貴族や文人達の逸話を集めた書籍です。徳行・言語・政事等の36篇から成り立っていまして、当時の時代風潮を物語る話が多く取り入れられています。
【断腸之思】、【母猿断腸】は『世説新語』の黜免(チュツメン:官職をやめさせてしりぞけること)第二十八に出ています。
東晋の桓温(カンオン)が蜀に攻め入り、三峡(長江の上流の渓谷)までやってくると、部隊の
中に子猿を捕まえた者がいました。その母猿が岸を伝いながら悲しげに叫び、百里あまり行っ
ても、まだ追いかけてきました。
とうとう船に跳びこんでくると、そのまま息が絶えてしまいました。
その腹を裂いて見ると、腸(はらわた)がずたずたにちぎれていたそうです。
桓温は、これを聞くと怒って、子猿を捕らえた者を罷免してしまいました。
【沖縄慰霊の日】
1945年(昭和20年)のこの日、太平洋戦争の沖縄戦における戦いが終結されたとされることから。20万人におよぶ犠牲者の霊を慰め平和を祈念する日として、制定されました。