窓や戸口を補修することを表した、四字熟語です。
小鳥が雨の降らないうちに巢を繕(つくろ)うことを喩え話にして、事前に周到な準備をして、災いを未然に防ごうと言うことを表しています。
【綢】は、「糸+周(音符号)」の形声文字で、音は「チュウ」、意味は「まつわる。まとう」です。
【繆】は、「糸+翏(音符号)」の形声文字で、音は「ビュウ」、意味は「たばねる。あやま・る。まと・う」です。
【綢繆:チュウビュウ】は、ゆるんだところを固めて修理する、という意味になります。
【牖】は、「片+戸+甫(甬の変形)」の会意文字です。意味は「まど」です。
【戸】は、象形文字で片開きの「戸」の形です。
【牖戸:ユウコ】は、窓と出入り口のことです。
【綢繆牖戸】は『詩経』豳風(ヒンプウ)鴟鴞(シキョウ)にでています。
迨天之未陰雨、
天のいまだ陰雨(ながあめ)せざるに迨(およ)びて、
長雨の来る前に
彼桑土、綢繆牖戶
かの桑土(ソウド)を徹(と)り、牖戸(ユウコ)を綢繆(チュウビュウ)す。
桑の根を取って巢穴を補強しておくほど用心していれば
今女下民、或敢侮予。
今この下なる民、あえて予を侮るもの或(あ)らんや。
巢の中の民も自分を侮るまい。
『孟子』公孫丑(コウソンチュウ)章句上に、同じ文章を用いて
為政者たるもの、予めよく注意して國を治めていたならば、
誰がいったいその国を侮るようなことがあろうか。
と言っています。