【一寸光陰】は、ごくわずかな時間のことです。
【一寸の光陰、軽(かろ)んず可(べ)からず】、
ほんのわずかな時間でも無駄に過ごしてはいけない、という言葉からの四字熟語です。
朱熹(シュキ)作と言われていた『偶成』と題する七言絶句の承句が【一寸の光陰、軽んず可からず】です。
ところが、平成に入ってから、朱熹の作ではないことが証明される資料がいくつか発見されているようです。
少年易老學難成,
少年 老い易(やす)く 學 成り難(がた)し,
若さのときは束の間で、なのに学びは遅遅として、
一寸光陰不可輕。
一寸の 光陰 輕んず 可(べ)からず。
わずかな時間も、大切に
未覺池塘春草夢,
未だ覺めず 池塘 春草の夢,
池のつつみの春の草、未だ覚めずに夢の中
階前梧葉已秋聲。
階前の 梧葉は 已(すで)に 秋聲。
覚めれば梧葉に秋の風
今日は『時の記念日』です。
いわれは、『日本書紀』の天智天皇十年四月辛卯条(グレゴリオ暦671年6月10日))に、
置漏尅於新臺。始打候時動鐘鼓。始用漏尅。
漏尅を新しき台に置く。始めて候時を打ち鐘鼓を動す。始めて漏剋を用いる。
此漏尅者天皇爲皇太子時始親所製造也
此の漏剋は、天皇の皇太子に爲(ましま)す時に、始めて親(みづか)ら
製造(つく)りたまふ所なり。
と、ありまして、日本初の時計が鐘を打った日が6月10日であることからこの日が『時の記念日』となったそうです。