黴雨(つゆ)が本格的になる頃です、という意味です。
上田秋成が6月6日から6月10日の時節を【黴雨油然】と名付けました。
【黴雨】は、雨が降り続き、黴(バイ。かび)が生えやすくなるということで、黴雨(バイウ)の季節と言われています。
【油然】は、雲が盛んにわき起こることを意味します。そこから何かが盛んにおこることにも使われます。
春の終わりから、夏の初めにかけては梅の実が熟す頃で、そんなときに降る雨ということで、
「梅雨(バイウ)」とも言われます。
【黴雨】や「梅雨」を「つゆ」というのは、いろいろ説がありますが、
① 露(つゆ)、
② 梅の実が熟すことから「潰(つい)える」→「潰(つ)ゆ」
の二つが有力です。
七十二侯の第25番目で、一般には『蟷螂(かまきり)生ず』、と言われています。
また、6月6日から20日は二十四節季の『芒種:ボウシュ』です。
芒(のぎ)を持った植物の種をまくころ、という意味です。
芒(のぎ)は、イネ科の植物で、先端のとげのような突起のことを言います。