真実であって、うそ偽りのないことを言います。
福沢諭吉『学問のすすめ』 十三編 怨望の人間に害があるを論ず、というところに【真実無妄】が
述べられています。
故に世に未(いま)だ【真実無妄】の公道を発明せざるの間は、人の議論もまた何(いず)れを
是(ゼ)とし何れを非(ヒ)とすべきやこれを定むべからず。
是非未(いま)だ定まらざるの間は、仮に世界の衆論をもって公道となすべしと雖(いえど)も、
その衆論の在(あ)るところを明らかに知ることを甚(はなは)だ易(や)すからず。
現代語訳
だから、世の中でまだ【真実無妄】の公道が発明されていない間は、人の議論もまたどれを
是としてどれを非とすべきか、これを決めることはできない。
是非がいまだ定まっていない間は、仮に世界の通説で公道であるとはいっても、
その世界の通説の根拠を知るのは簡単なことではないのだ。