過ちに気づき、後悔し、心に恥じ入ることを表わした四字熟語です。
【悔:カイ】は、(自分の失敗を)悔(く)やむことを表わす形声文字です。
【悟:ゴ】は、さとる。(悪いと)気が付くことを表わす形声文字です。
【悔悟:カイゴ】は、いままでの過ちをさとり、悔いること。
【慙:ザン】は、はじること、面目なく思うことを表わす形声文字です。
【羞:シュウ】は、羊+丑(又:手の変形)から作られた会意文字です。羊を捧げ持って
宗廟(ソウビョウ)にすすめ供える、ひいて御馳走をすすめる意味を表すのが原義です。
借りて(仮借用法)、『はじ』の意味に用いられました。
【慙羞:ザンシュウ】は、羞(はじ)を慙(はじ)る、というようなことで、『はじる』という意味です。
坪内逍遥『小説神髄』上巻:小説の裨益(ヒエキ)のところに、【悔悟慙羞】が出ています。
さもあれば些少ばかりにても廉恥(レンチ)の心あるからは、よしや小説の寓意(グウイ)を
知り得て直ちに【悔悟慙羞】してその行ひを改むるに至らずとも、誹刺(ヒシ:そしること)
されてこころよしと思う者は稀(ま)れなるべし。
さればかかる徒に於ける尚ほ奨誡(ショウカイ:いましめること)の意は通ぜり。