【倹(ケン)は美徳(ビトク)なり】と訓読されまして、倹約は美徳である、という意味です。
でも、度が過ぎるとよくないと、『菜根譚』前集199条に記載があります。
また『謙虚』さについても言及しています。
倹美徳也。
倹(ケン)は美徳(ビトク)なり。
倹約は美徳である。
過則為慳吝、
過(す)ぐれば則(すなわ)ち慳吝(ケンリン)となりて、
しかし、度を越すと“ケチ”となって、
為鄙嗇、
鄙嗇(ヒショウ)となり、
卑しくなり、
反傷雅道。
反(かえ)りて雅道(我同)を傷(やぶ)る。
目的とは反対に道を外れてしまう。
譲懿行也。
譲(ジョウ)は懿行(イコウ)なり。
謙虚は善行である。
過則為足恭、
過(す)ぐれば即(すなわ)ち足恭(スウキョウ)となりて、
しかし、度を越すと“バカ”丁寧となって、
為曲謹、
曲謹(キョッキン)となり、
堅苦しくなり、
多出機心。
多(おお)くは機心(キシン)に出(い)ず。
魂胆があるように見なされてしまう。