【君子は豹変す】と訓読されます。
この言葉は現在、
「節操もなく自分の意見をコロコロ変えることと解釈され使われていることが多いようです。
豹のすばしっこい動きからか、変わり身が早く、ずるく立ち回る、要領のいい人」と言うように、
むしろ悪いイメージの四字熟語と思われています。
『易経』の原文をたどると、
「君子豹変、小人革面」とあり、朝日選書『易:本田濟』著 によると「君子は時代の推移に従って、自己を変革し、新しい文化の建設に貢献すること、あたかも豹の毛が季節につれて抜け変わり、文様が美しくなるように、鮮やかである。小人(=庶民)は、結果を享受するだけなので、ただ顔つきを革めて、おとなしく新しい君子に従う」
とあります。
ですから当初の用法は、誤ったらすぐ改めることは善いことであるとしているのに対し、
今日では立派な人でも態度を簡単に変えるのは、善いことではない、となっているようです。