「笙磬(ショウケイ)音(イン)を同じくす」とも訓読されまして、
調和の取れた演奏をすることから、人がお互いに心を合わせて仲良くすることのたとえです。
【笙:ショウ】は、中国古代の管楽器の一つです。竹管を長短17本、環状に立てて束ねたもので、雅楽でも用いられています。
【磬:ケイ】は、石や玉で作った「へ」の字形の打楽器で、台に吊るして打ち鳴らして使います。
【同音】は、いろいろな種類の楽器を一斉に演奏して、美しい音を奏でることを言います。
【笙磬同音】は、『詩経』小雅の鼓鐘という詩にでています。4言×20句の詩です。
16句目 鼓鍾欽欽、
鍾(ショウ)を鼓(う)つこと欽欽(キンキン)たり
鍾をたたく音がカンカンと鳴り
17句目 鼓瑟鼓琴。
瑟(シツ)を鼓(コ)し琴(キン)を鼓(こ)す
瑟を鳴らし琴を鳴らす
18句目 笙磬同音。
笙磬 音を同じくす。
笙と磬とを合奏する
19句目 以雅以南、
雅(ガ:中原の音楽)を以(もっ)てし 南(ナン:南方の音楽)を以てす、
雅を鳴らし 南を鳴らし
20句目 以籥不僭。
籥(ヤク)を以って僭(みだ)れず。
籥を手に持って(舞を舞っても)乱れない。