悪人などが我が物顔にのさばり蔓延(はびこ)ることを表わす四字熟語です。
【跳】は、「とぶ」、【梁】は、「はり」を表しますますから、
【跳梁】は、はりを越えるほどに「とび跳ねる」と言う意味で、とんでもなく、跳ね上がることになります。
【跋】は、「ふむ・こえる」、【扈】は、魚を取る水中の竹かごで、
【跋扈】は、大きな魚は竹かごを越えて逃げ去るので、臣下が権威をほしいままにして人君をおかすと言う意味も発生してきます。そこから、【跋扈】は我がままに振る舞う、と言う意味になります。
【梁冀(リョウキ)跋扈】という四字熟語もあります。自分の欲望にとらわれて、わがままな振る舞いをすることですが、【梁冀】というのは後漢の朝廷で尊大な態度を取り【跋扈将軍】と呼ばれた人物です。
後漢の質帝(シツテイ:145~146)が外戚の梁冀を「これは跋扈将軍なり」と言ってのけたところ、梁冀はあっさりと皇帝を毒殺してしまいます。他にも気に入らない者、逆らった者はいとも簡単に殺しています。
次の桓帝(カンテイ:146~167)の梁冀誅滅作戦により、梁冀夫妻は自殺し、その他の梁氏一族もほとんど粛清されました。梁冀の家財を売却処分したところ、その金額は天下の租税を半減できるほどの巨額だったそうです。
『悪の栄えた試しはない』。