人情は水のようなものである、平穏な状態にしておくのが一番いい、と『言志後録』169条にみられます。この場合の人情は、人付き合いというような意味です。
人情如水。
人情は水の如し。
人情ば水のようなものである。
使之如平波穏流爲得。
之れをして平波穏流(ヘイハオンリュウ)の如(ごと)くならしむるを得たりと為す。
この人情の水を平穏な波や流れにさせるのが良いのだ。
若不然。激之。壅之。
若(も)し然(しから)ずして、之(これ)を激(ゲキ)し之(これ)を壅(ふさ)がば、
もし、平穏な状態にしないで、怒らせたり、ふさぎ留めたりしたならば、
忽起狂乱怒涛。
忽(たちま)ち狂乱怒涛(キョウランドトウ)を起さん。
たちまち、狂乱怒涛を引き起こすだろう、
可不懼乎。
懼(おそ)れざる可(べ)けんや。
だから懼(おそ)れなくてはならない。