気が小さく、びくびくしている様子を表す四字熟語です、が本来は、つつしみ深く、小さなことまでよく気を配ることを表す言葉でした。『詩経』大雅に出ています。
周の文王を讃えて、
維此文王 小心翼々
これこの文王、【小心翼翼】たり。
文王は慎み深く細かいことにも気を配り、
昭事上帝 聿懷多福
昭(つと)めて上帝に事(つか)へ、ここに多福を懐(もた)らす。
天の神につかえ人民の幸福を願った。
その結果、周に多福をもたらした。
又、『詩経』の他のところで、西周の宣王(センオウ:B.C.827~B.C.782)の宰相を務めた
仲山甫(チュウザンホ)が細心の注意をはらって職務遂行に当たったことをほめて
仲山甫之德 柔嘉維則
仲山甫の德は、柔嘉(ジュウカ)にして則(のり)維(あ)り
仲山甫の徳は、善にして道に適っている。
令儀令色、小心翼翼
儀を令(よ)くし色を令(よ)くして、【小心翼翼】たり。
威儀を正し容色麗しく、慎み深く厳正である。
【小心翼翼】とした態度、の場合は、『気が小さくびくびくしている様子』が現代の解釈です。