自分の好き勝手を押さえて、社会の規範や礼儀に適った行いをすることを言います。
また、自分の好き勝手を押さえるのに、そんなに時間はかからない、すぐ分からないといけない。
佐藤一斎先生は『言志後録』34条で言っています。
克己工夫。在一呼吸。
克己の工夫は、一呼吸の間に在り。
克己の工夫は、「ここだ」という一呼吸の間にある。
『論語』顔淵の第1章が有名な【克己復礼】の説明です。
顔淵問仁。
顔淵(ガンエン)、仁を問う。
顔淵が仁とはどういうことかを問うた。
子曰、克己復禮爲仁。
子日く、己(おのれ)に克(か)ちて礼に復(かえ)るを仁と為(な)す。
孔子は、私心に打ち克って、真(まこと)の道(礼)に立ち返ることが仁というものである。
一日克己復禮、天下歸仁焉。
一日(イチジツ)己(おのれ)に克(か)ちて礼に復(かえ)れば、天下 仁に帰(キ)す。
(上に立つ者が)一日でも私心に打ち克って真の道に立ち返るなら、
世の人々はみな、(見習って)仁を実践することになるだろう。
爲仁由己。
仁を為すは己に由(よ)る。
仁を実践するかどうかは、本人の覚悟しだいであって
他人に頼って出来るものではない、と答えました。