お釈迦樣が誕生した時に言ったとされる言葉です。
【天上天下唯我独尊(テンジョウテンゲ ユイガドクソン)】の略です。
釈迦は摩耶夫人の右脇から生まれ、その直後に七歩歩いて右手で天を指し、左手で地をさして
【天上天下唯我独尊】と言った、という伝説から出てきたものです。
釈迦を、崇める言葉として使われています。
本当は【天上天下唯我独尊】は、釈迦が言ったのではなく、釈迦以前に生まれていた、七仏の第1仏である毘婆尸(ビバシ)仏が誕生した時に言ったとされています。
『長阿含経(チョウアゴンキョウ)』大本教によりますと
毗婆尸菩薩當其生時。從右脇出。
毗婆尸(ビバシ)菩薩が生まれる時、右の脇から出た。
專念不亂。從右脇出。
専念して乱れず、右の脇から出た。
墮地行七歩。無人扶侍。
人の手を借りずに七歩歩いた。
遍觀四方。擧手而言。
あまねく四方を観て、手を挙げて言った。
天上天下唯我爲尊。
天上天下において、我を尊しとなす。
要度衆生生老病死。此是常法。
衆生の生老病死を救うからである。これが常に説かれた教えである、と。
釈迦が生まれた際に、人々が讃嘆し、のちに釈迦自身が誕生直後に【天上天下唯我爲尊】と言った、と
信じられるようになったようです。
原文では【獨尊】ではなく『爲尊(イソン)』となっています。