ムチャクチャに振る舞うことをいいます。
【我武者羅】は、いくつか語源があるようですが、そのなかのひとつに
我武者は、我貪:がむさぼり→がむしゃ、として当てられ、羅は、接尾語、という説があります。
『吾輩は猫である』の第7章に【我無洒落】と当てられているのが見られます。
先方がいつまでもこの態度でいては運動にならんから、あまり長くなるとまたちょいと
一本参る。これだけ参ると眼識のある蟷螂(かまきり)なら必ず逃げ出す。
それを【我無洒落】に向ってくるのはよほど無教育な野蛮的蟷螂である。
もし相手がこの野蛮な振舞をやると、向って来たところを覘(ねら)いすまして、いやと
云うほど張り付けてやる。
大概は二三尺飛ばされる者である。しかし敵がおとなしく背面に前進すると、こっちは
気の毒だから庭の立木を二三度飛鳥のごとく廻ってくる。
蟷螂君はまだ五六寸しか逃げ延びておらん。もう吾輩の力量を知ったから
手向いをする勇気はない。ただ右往左往へ逃げ惑(まど)うのみである。
しかし吾輩も右往左往へ追っかけるから、君はしまいには苦しがって羽根を振(ふる)って
一大活躍を試みる事がある。