毀(そし)られることと誉められることは一套(ひとそろ)いのものである、という意味の四字熟語です。
佐藤一斎先生『言志耋録(テツロク)】第213条からの言葉です。
【套】は、大と長から作られた会意文字です。長く大きい、という意味です。借りて「かさなる」、「おおい」の意味に用いられます。『新字源』改訂新版
毀誉、一套也。
毀譽(キヨ)は一套(イットウ)なり。
毀(そし)られることと誉められることは一套(ひとそろ)いのものである。
譽、是毀之始、
誉(ヨ)は是れ毀(キ)の始め、
誉められることは、毀られることの始めであり、
毀、是譽之終。
毀は是れ誉の終りなればなり。
毀られることは、誉められることの終わりであるからだ。
人宜不求譽而全其譽、
人は宜しく誉を求めずして、其の誉を全うし、
人は、先ず誉められようとしないで、誉められる元になる行いを完全になし、
不避毀而免其毀。
毀を避けずして其の毀を免(まぬか)るべし。
徒(いたず)らに毀られることを避けようとしないで、
是之爲尚。
是れを之れ尚(たっと)しと為す。
根本的に毀られないように務めるのが良い。これが一番よいやり方である。