【社燕】は、春の社日(今年は3月17日)の頃に来て、秋の社日(9月24日)の頃に帰る燕のこ
とを言います。
【秋鴻】は、秋の社日の頃に来て、春の社日の頃に帰る鴻(大型の雁のことを言います。
燕と白鳥は、春と秋に、飛んでくるのと帰って行くのがいつもすれ違いになることから、会ったかと思うと、すぐに別れる譬をいう四字熟語です。
社日(シャニチ)とは、産土神(うぶすながみ:生まれた土地の守護神)を祀る日。
春のものを春社(シュンシャ、はるシャ)、秋のものを秋社(シュウシャ、あきシャ)ともいいます。
春分または秋分に最も近い戊(つちのえ)の日が社日となります。
社日は古代中国に由来し、「社」とは土地の守護神、土の神を意味します
「社」の字は「示+土」から出来た形声文字です。「土」は土を縦長の饅頭型にまるめて台の上に置いた形で、土地の神様の形を意味しています。それに「示」を加えて、「やしろ」の意味で使われます。
この日は産土神に参拝し、春には五穀の種を供えて豊作を祈願し、秋にはその年の収獲に感謝します。
北宋の詩人蘇軾(ソショク:1036年~1101年)の詩に【社燕秋鴻】が使われているのがあります。
7言×20句の詩です。その詩の一部です。
15句目 有如社燕與秋鴻、 社燕,秋鴻と ともにする如(ごと)き有り
16句目 相逢未穩還相送。 相逢(お)うて いまだ穏(やす)らかならざるに
還(かえ)るを相送る。